誉め言葉を考える 
お菓子や料理の誉め言葉について、いろいろと観察してみたいのです。
誉め言葉には、おもしろい意味が含まれているように感じるのです。
ケーキの誉め言葉は、以外と少ないもので、「滑らかである」 「しっとりとしている」
「柔らかい」 「癖がない」 「さっぱりとしていて、いくらでも食べられる」などの
言葉が多用されます。
これらの言葉の意味を考えてみると、はじめの3つの言葉は、
味わいを評価したものではなくあきらかに、舌触りや歯ざわりの誉め言葉です。
そして、後の2つの言葉は、たしかに味わいに対する誉め言葉ですが、
これも、ちょっと考えてみるとある事に気がつきます。
「癖がない」「さっぱりとしている」は、ケーキだけではなく、洋食全般に対して、
よくテレビのグルメ番組のレポーターが連発する誉め言葉です。
パスタ、ピザ、あとフランス料理全般を食べた時などに、この言葉をよく聞きます。
でも、どうでしょうか?
この誉め言葉、そのお菓子や料理のおいしさを積極的に誉めているようには
ぼくには、感じられないのです。
と言うのは、この誉め言葉、以外と和食には、ほとんど使われません。
「このお味噌汁、癖がなくておいしいですね」
「このおでん、さっぱりとしていて、いくらでも食べられます。」
こんな誉め言葉、聞いたことがありませんし、なんとなくしっくりときません。
そうです。和食には、「コクがある」 「味に深みがある」
「昆布の出汁がよく出ている」とか
その味わいを積極的に、かつ具体的に評価する誉め言葉が多用されます。
この事から、ケーキや洋食に対しては、癖がないもの、つまり味わいの
個性の弱いものがおいしいと評価されて、なおかつ舌触りや歯ざわりに関しては、
割と積極的に、そして具体的な評価がなされます。
一方、和食は、その料理そのものの個性的な味わいが強く求められます。
お味噌そのものの味わい、昆布やかつおの出汁、
お米の味わいやその炊き加減などなど。
これらは、もちろん私たち日本人が和食を食べつづけてきた歴史は、
長くてもケーキや洋食を食べてきた歴史が比較的まだ浅い事から、
由来していると思うのです。
こんな事を書くと、身もふたもなくなるようですが、
最近は、ケーキやいろいろな料理に対しても、和食のように個性的な味わいが
求められ、歯ざわりや舌触りも、ただ柔らかいだけでなく
よりバラエティに富んだ固さや柔らかさが喜ばれる傾向が見られます。
ですので皆様に、ぼくの誉め言葉に対する考え方をご紹介して、
あらためてケーキや料理に対する誉め言葉を観察していただくと、
また新たなおいしさを見つけていただけるかもしれないと思った次第です。
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